近年、建築をめぐる社会経済環境のさまざまな変化によって、建築物の品質や安全性を確保する上で建築コストの重要性が再認識され、それにともなって適切な建築コストのマネジメントが生産プロセスのすべてにおいて求められるようになっています。
これまでの建築業界に於ける積算の役割は設計図書から建物を作るのに必要な数量を計測・計算し、これに単価を掛けて建築物のコストを算出することでした。
しかし、最近では「建築の生産活動をコスト面からマネジメントすること」を目的とし、そのために建築の生産プロセスのすべてにおいて建築コストを算定するなど、積算業務の役割と対象領域が拡大しています。
建築積算とは建築生産活動の経済行為を支える基本的な知識と技術であり、どんなに素晴らしい設計や施工技術も、建築積算(コストマネジメント)なしには成り立たないと言っても過言ではありません。発注者と受注者、設計者と施工者、あるいは建築に関わる行政や不動産、また、金融機関の担当者など、さまざまな立場や職域で建築業務に関係する人のすべての人を繋ぐ大切な知識や技術であり、建築積算があるから安心して建築生産活動が行えると言えます。